JACS OFFICIAL BLOG

治療院経営の原理原則 公式ブログ

創始者・井上定雄が、会員の先生方の経営相談に答えた千を超える問答より、その一部を抜粋して掲載しています。

料金

値上げしたら患者さんが離れた。料金が原因なのか

相談者1回の料金を1,500円上げたところ、通院をやめたり間隔を空けたりする患者さんが出た鍼灸院から

Q質問

先生、いつも勉強させていだいております。
先月メニュー単価を1500円アップして5940円にしました。
施術内容は鍼灸に加え、歪みに対する施術をプラスしての単価アップです。
回数券価格では5500円です。
既存の患者さまには、高いという理由で何人かは去り、もしくは1週間に1回来ていた方は2週間に1回になったりで、胃が痛くなる状況です。
この状況は予想はしていましたが、あえて実行に移したのは単価5000円以上にすることが、目標売上達成に不可欠だと気がついたからです。
この値段で納得してもらうには、患者さまが望む結果を出していくしかないとは思いますが、毎日緊張しています。
新規にたいしては、根本原因を自律神経、運動神経、感覚神経の障害ととらえ、週2の来院を促していますが、予約をとったのに、無断ドタキャンされること1回、説明の仕方がまずいのか、週2の必要性が感じられなかったようです。
それでも週2の来院頻度の方が結果につながると思うので、このままこのやり方でいきたいのです。
説明ははじめから週2の来院を促す文書を作って、問診時に症状の説明をしながら、説明していますが、 はじめから週2の来院提案の文書を用意しておくのは、まずいでしょうか?
検査の結果、週2提案としないとまずいでしょうか?
問診時の説明の際に組み込むために、あえて文書(写真などイメージを持ってもらうための案内パンフレットのようなもの)を作ってお話ししていましたが、これは良いのでしょうか?
お考えをお聞かせください。
よろしくお願いいたします。

A回答
一般社団法人日本治療院支援協会 創始者
井上 定雄

はい、先月は値上げをしたということでのご質問なんですけれども、値上げについてたくさんの質問をいただいていますが、それはしっかりとご覧いただいた上で取り組まれたでしょうか。一番大事なポイントで言うと、なぜ値上げするのかという理由が明確になっていること。

そしてそれは、患者さんのメリットになっているんだっていうことが明確になっているかどうか。そして値上げについて言うならば、3か月前に必ず告知を行っているということが大事になってくるんですが、これはちゃんとやっていただけたでしょうか。そのあたりちょっと気になっています。他の今月のご質問の中にもありましたけど、料金というのは相対的なものなんですね。絶対的なものなんじゃないんですよね。

ですから、今回5940円ということですけれども、それが高いか安いかって言われると、ごく一般的なお値段だと思います。特にこのご質問の先生の場合で言うと、鍼灸の治療に歪みを整える矯正的な治療もプラスアルファーということですので、かなり時間もかかって治療を行っているんじゃないかなという気もするので、5940円は決して高いお値段ではないと思うんですね。

でも、患者さんの方から何かの説明をした後に高いと言われているということなんですね。ましてや、それによって来院頻度が下がったりしている患者さんまで出たということなんですけど、これは要はその説明自体に納得いかないって言ってるんですね。料金が高いっていうふうに患者さんは言葉では言ってますけど、料金が高いんじゃなくて、あなたの説明には納得いかないので、その料金は払えないと言っているんですね。

料金が高いんじゃなくて、あなたの説明には納得いかないので、その料金は払えないと言っているんですね。

ですから、説明に納得いけば、その料金でもいいということなんです。裏返せば。納得いかないのでその料金は高い。そして、もう一個の言い方をするならば、あなたの説明を聞いたけれども、それだけの価値がある治療ではないよねって言われてるようなものなんですね。

要は説明の中身に相当な問題があると思います。で、事前に週2回の資料を用意しているとか、その説明用の資料を用意している。資料を用意することはいいんですけれども、その内容がですね、治療計画に基づくものだったらそれはおかしいんですね。なぜなら、問診もしない検査をする前に治療計画が存在しているわけがないから。その人の患者さんからいろいろお話を聞き、検査をした結果、あなたにはこの治療が必要だということになるわけであって、最初から資料が週2回で出来上がっているっていうのはあり得ないです。場合によっては週3回必要かもしれませんし、毎日必要かもしれないです。そこはちゃんと患者さんは明確な論理的に理解しなくても、違和感はすぐに感じるんですね。そこが大きな問題点ではないでしょうか。患者さんは誰を一人としてですね、こういう患者さんはこうなんですと、一般論で治療を受けたいと思っている人は一人もいないんですね。

ですから、いつもカウンセリングの時にお話してますが、あなたの場合はこうなんですっていうのが大事なんです。あなたのお体に起きている問題はこうなっていて、あなたのお体に起きている根本原因はこれで、それは原因で治ります。なので、あなたに必要な治療はこういう期間、こういう回数、こういう内容の治療になるんですと。常に患者さん、あなたのにが主語になってないと成立しないんですね。事前に資料が用意されている、週2回のとか、そういったものが用意されているということは、それはあなたのじゃない。うちは誰でも週2回ですと言ってるようなものなんですね。

なのでそこは気をつけていただきたいところです。例えばそれが、自律神経の説明用の資料があるとか、体の骨格の歪みに関する資料があるとか、それらは説明用として用意されているのはいいんですが、治療計画に関するものはあってはならないということを理解してください。

この問答の要点

  1. 「高い」は料金の問題ではなく、説明に納得していないという意味。
  2. 問診や検査の前から、週2回と書いた治療計画の資料を用意しておくのはあり得ない。
  3. 説明の主語は常に「あなたの場合は」。一般論の治療を受けたい患者さんはいない。